スケジュール管理機能が有効にされた箱では一覧リストでの並び替えが一部制限されます。
ここではその制限を、ファイル名の付け方を工夫することで乗り越える方法をご紹介します。
覚えておけばスケジュール管理機能がさらに便利になることと思います。
しかし、この方法はいわば"裏技"的な使い方になりますので、必ず「StepByStep」で解説している基本機能の使い方を理解してからお読み下さい。
文中「予定ファイルや「普通のファイル」など、「紙」独自の用語を用いていますが、これらの意味も「StepByStep」において解説してあります。
スケジュール管理機能の「予定ファイル」では、ファイル名の先頭に日付情報がなければいけないという"制限"があります。
この"制限"のために、「未来の予定ファイル」とファイル名の先頭に日付情報を持たない「普通のファイル」とを一覧リストにおいて上下に並べることが出来なくなっています。
もちろんこの"制限"はデータを時系列で管理しやすくするために敢えて設けられたものなのですが、「予定ファイル」に書かれた内容をさらに補足する情報が「普通のファイル」として存在する場合、ファイルの場所が離れているために相互参照がしにくくなりますし、なにより二つのファイルが関連しあっているということが一目で分からなくなってしまいます。
しかし、この欠点もファイル名の付け方を少し工夫するだけで克服できるのです。
実は解決方法は至極簡単なことなのです。
「普通のファイル」を「未来の予定ファイル」に変更してしまう。
つまり、「普通のファイル」のファイル名先頭部分に日付を追加する。
これだけです。
「何だそんなことか」と思われるかもしれませんが、この方法を使う場合と使わない場合とでは、ファイルの一覧性・開きたい情報への到達時間にかなりの差が出てきます。
次から具体的な例を用いて説明しましょう。
まずはじめに、以下のような状況を設定しましょう。
今日(2003年05月03日(土))、5月31日に友人と二人で好きなアーティストのコンサートを見に行く約束をしました。
忘れないように、"2003年05月31日(土)"の「予定ファイル」に記入しておきます。
しかし、はじめて利用する会場だったので二人とも会場までの道順がよく分かりません。
そこで、インターネットを使い、その会場までの道順と周辺地図を掲載しているページを見つけ、その部分を「紙」で「予定ファイル」と同じ箱([予定表])に取り込みました(ファイル名は"会場地図.html"に変更)。
このままの状態が、まだ「普通のファイル」を「未来の予定ファイル」に変更していない、いわば初期状態です。
この時の一覧リストの状態を見てみましょう。
予定を書き込んだ"2003年05月31日(土)"(斜体で表示してあります)と、このファイルと関連のある内容を持つ「普通のファイル」(すなわち"会場地図.html")の位置に注目してください。
「普通のファイル」である"会場地図.html"は、スケジュール管理機能の並び替え制限により今日の日付("2003年5月3日(土)")よりも上に移動することが出来ません。
その為に、予定を書き込んだ"2003年05月31日(土)"とかなり離れてしまっています。
ファイルの作成直後は両者が互いに関連しあっていることを覚えていますが、コンサート当日までかなり日数があるので忘れてしまう可能性もありますね
(すでに調べたことを忘れている時に、一目で"会場地図.html"が見つからないと、再び調べるという無駄を行う可能性すらあります)。
これでは、せっかく調べた地図の情報が無駄になってしまうかもしれません。
それでは今度は、取り込んだ地図のファイル名を工夫してみましょう。
操作はとても簡単です。
- "会場地図.html"を開き、Ctrl+Sを押す。
- ファイル名の変更画面が出るので、"2003年05月31日"を"会場地図"の前に挿入する。
(曜日は無くても構いません)
- "2003年05月31日会場地図"になっていることを確認してから[変更]ボタンを押す
3.の操作をした途端に、ファイルは"2003年05月31日(土)"のひとつ上へと自動的に移動します。
これによって、「予定ファイル」("2003年05月31日(土)")と、そのファイルに関連のある内容を記したファイル("2003年05月31日会場地図.html")が上下に隣接するので、Alt+←・→で簡単に両者を行き来できるようになりました。
そして、両方がファイル名先頭に同じ日付を持っているため、いつ見ても両者に関連性のあることが一目で分かるようにもなりました。
これでもう、いくら日数がたってもコンサート会場までの道順を再び調べ始めるような無駄を行う心配はなくなりますね。
以上のように、この方法は覚えておくと大変便利なのですが、さらにもう一歩工夫して使わないと状況によっては逆に不便になってしまいます。
というのも、この方法は一覧リストの「一日一ファイル形式」での表示をわざと崩すものですので、強制的に「予定ファイル」の中に配置する「普通ファイル」の数が多くなればなるほど、ファイルの一覧性も下がってしまうのです。
以下の画像をご覧下さい。
今日の「予定ファイル」(2003年05月03日(土))から前日の日付ファイル(2003年05月02日(金))までの間に、
「普通のファイル」が数多く存在しています(「ToDo-5/5」から「CRO-5/9.html」までです)。
これらを、先程のようにファイル名に工夫をしてそれぞれの関連する「予定ファイル」の上下へ配置してみます。
どうでしょうか。確かに並び替える前と比べて、ファイル同士の関連と開きやすさは向上しました。
しかし、あまりに「予定ファイル」の日付が重複しているため、どれが元からある「予定ファイル」なのかが分かりにくくなっています。
また、この例では元からある「予定ファイル」のファイル名を日付のみにしていますが、「予定ファイル」では日付部分より後であれば自由にファイル名を付加できるので("2003年05月03日(土)メモ"というファイル名も有効)、もし元からある「予定ファイル」にファイル名が追加されていると、更にどれが元からある「予定ファイル」なのか分からなくなります。
それではファイル数が多くなった場合にはこのファイル名変更は使わないほうがいいのでしょうか?
いいえ、そんなことはありません。
あまりに多くの「普通ファイル」をひとつの「予定ファイル」に関連付けるのは控えたほうがいいですが、「重要度」機能をうまく併用することによって、ファイルの一覧性の減少を最小限にすることが出来ます。
以下に「重要度」機能と併用することで、元からある「予定ファイル」を一目で認識できるようにした例を示します。
一見して分かるように、これは以下の操作を行っただけです。
- 「重要度の項目」画面で、「色」にあまり目立たない薄めの色を選択した項目を作成。
- その項目をファイル名変更を行ったファイルすべてに指定。
しかし、これだけの操作でも十分、ファイルの一覧性は向上しています。
今回、スケジュール管理機能を更に使いこなすためにご紹介した方法は、「ファイル名の変更」と「重要度」機能という、いわば「紙」の基本機能の応用によって実現されています。
特定の目的にしか利用できないように思える機能であっても、他の機能と組み合わせて使用することで活躍の場を広げることが出来ます。
そして、そのために必要なのはあなたの自由な発想力だけです。
今回ご紹介した方法よりもっと便利な使い方がきっとあります。
それをあなた自身でも見つけてみてください。